第二回あるこう会に参加して

九月二十八日は三十度近かった前日とは変わり、薄曇りの絶好の歩き日和でした。
 先月会より米寿のお祝いを頂戴した老生は地元開催と言うこともあって、久し振りにあるこう会」に参加することにしました。
 午前十時、JR天竜川駅前には、善男善女十八人が集まりました。四駅先のエコパスタジアムで、午後四時からワールドカップラグビーの日本対アイルランド戦が開催される当日とあって、列車には多くのサポーターが乗車していたそうです。

 駅前を出発して、先ず近くのお寺に立ち寄りました。このお寺は、三方原合戦で敗走中の家康を天井裏に匿ったことで名が知られています。もし寺の助力が無かったならば、日本の歴史が変わっていたかも知れません。更にこの寺には、明治大正にかけて「暴れ天竜」の治水に全財産と一身を捧げた郷土の偉人金原明善翁と、テレビの父と呼ばれた高柳健次郎さんのお墓もありました。
 お寺を出て数少ない松並木の旧東海道を東に向かい、三十分程で明善翁の生家に着き、多くの遺品、明善の生涯を説明するビデオを見学し、一休みしました。

  秋空や偉人のありて今のある

 ここからは、人家と稲穂が交互する田舎道を目的地の都市緑化植物園へ向けて南進しました。植物園に着いたのは丁度正午、銀杏の葉が少し色づき、一本一本名札を付けた数知れない樹木は秋の装いに変装中で、樹上からは小鳥の声が洩れて来ました。すっかり汗が引いて到着したのが池の端の東屋。早速、幹事が調達したお酒おつまみ、参加者持参の自慢料理が並び、乾杯の発声。楽しい宴が始まりました。

 飲んで食べて喋った後は、恒例のビンゴによる福引です。何時の間にか全員が無邪気な少年少女にカムバックしており、若返りの秘訣かも知れません。ビンゴが済んで現地解散したのが一時半、皆思い思いの帰路につきました。案内役の高橋ご夫妻、幹事の方々、有難う御座いました。

  秋風に乗せてビンゴと叫びたり

 今回の歩行距離は約八キロとか、家に戻って少々足が攣りましたが、日本が大金星を挙げたラグビーのテレビ観戦中に、治ってしまいました。誠に爽快な一日でした。

            伊藤倭夫 記